はじめてウズベキスタンに行く人が知っておくべき10のこと
6月中旬、何を思ったか1週間ほどウズベキスタンへ旅行に行ってきた。
ウズベキスタンと聞いても、たいていの人はピンとこないと思う。もし、サッカーが好きな人なら、日本代表が何度か対戦したことのある国くらいの認識だろう。中央アジア史に興味がある人ならば、世界遺産のサマルカンドやチンギス・ハンに攻め落とされた国といったことを思い浮かべるかもしれない。でも、たいていの人にとっては直接関わることのない国だと思う。
そんなウズベキスタンがアツい。物価は安いし、食べ物はうまい。サマルカンドやブハラ、ヒヴァといった世界遺産には一見の価値があるし、日本にある「チャイハネ」的雑貨屋が好きな人であればお土産に目移りして何を買って帰るか悩まされることだろう。日本にいると目にすることがあまりないイスラム文化を体験できるというだけでも貴重だ。
とにかく、あなたに自由に使える多少のお金とまとまった時間があるのなら、ぜひともウズベキスタンに行ってみるべきだ。
というわけで、今回のウズベキスタン旅行で学んだことをウズベキスタンに行く予定の人に向けて紹介しようと思う。ただし、あまり役に立たない情報だということを先に断っておく。
連日の快晴。旅行日和だが、とにかく暑い!
1.とにかく暑いので要注意。
行ったのは6月中旬だったが、気温は40℃越えがザラ。夜も37℃くらいあったと思う。ガイドブックに記載されている6月の平均気温を軽く10℃くらい上回っていた。夜は肌寒くなるので長袖が必須ということだったので持っていったが、一度も使わずに終わってしまったし、夏にウズベキスタンへ行く分には日本の猛暑を想定した服装で問題ないと思う。そしてサングラスと帽子は必須。タオルも多めに持っていこう。
バザール。食材から洗剤まで、あらゆるものがこうした屋根付きのスペースで売られている。
2.空港で預けた荷物は自分から回収しに行け。
空港に着いたら、預けた荷物がベルトコンベアで運ばれてくるのを待つと思う。しかし、そんなことをしていたらタシュケント空港ではいつまでたっても自分の荷物は流れてこない。なぜなら、これは設計上のミスだと思うが、手荷物が顔を出すあたり(ベルトコンベアの最上流)のカーブがきつすぎて、たいていの荷物はベルトコンベアから落ちてしまうか、詰まってしまうからだ。そのため、いつまでたっても自分の前に預けた荷物がやってこない。しかも、出稼ぎ帰りのウズベキスタン人たちが我先にと大漁の荷物を取りに行くので人だかりがすごいこと、すごいこと。そんな中で、ボーッと荷物が流れてくるのを待って突っ立っていたら、いつまで立っても空港から出ることはできない。俺自身も、待ちの姿勢でいたために到着してから空港を出るまで2時間近くかかってしまった。
初日に両替しすぎた。金持ちになった気分。
3.USドルから現地通貨(スム)への両替は少額をこまめに。
ウズベキスタンの現地通貨はスムだ。レートは詳しくはわからんけど、500mlペットボトルの水が800〜1000スムくらいだった。そして、1ドル=1200スムくらいだったと思う。ウズベキスタンは物価が安いので助かる。そんなスムだが、日本では両替できない。なので、まずは日本円を米ドルに換金して持っていき、現地の両替所でスムに両替してもらう必要がある。ただし、持っているドルすべてを両替してはいけないということだ。物価が安いので、そんなことをすればたいていの人は最後にスムが余ってしまう。スムなんてウズベキスタンでしか使えないのだから、なるべく国内で使い切れるようにしたい。だから、20ドルくらいずつ両替するのが賢い。俺はそれを知らず、いっきに100ドルを換金してしまい、帰国時に大量のスム紙幣が余ってしまった。
かつての城壁跡。土で作られているため、今では風化してしまっている。
4.英語がぜんぜん通じないことを覚悟する。
俺たちは中学生のときから英語を勉強させられ、英語が世界の共通語であると教えられてきた。しかし、世界にはまだまだ英語がまったく通じない国がある。ウズベキスタンがそうだ。今回の旅行で英語が通じたのはホテルのフロントくらいで、レストランでは「ウォーター」すら通じないことがあった。彼らにとって共通語はロシア語。英語は通じないと覚悟しておいた方がいい。
ソ連時代の区画整備のおかげか、道幅は広い。
5.移動手段は歩きを基本にして、街を楽しめ。
タシュケントはけっこう大きい町なのでさすがにタクシーを利用した方がいいと思う。が、サマルカンドやブハラは元がオアシス都市ということもあってあまり大きくない。1日もあれば市内のたいていの見所は歩いてまわれてしまう大きさだった。タクシーを使わず街中を歩いて見て回った方がぜったいに楽しいし、浮いたお金で旨いもんを食うのがベストだ。
ウズベキスタンの麺料理。スパゲッティとうどんの中間みたい。肉と野菜がゴロゴロ入っていてボリュームたっぷり。
6.ガイドブックは過信するな。
ウズベキスタンのガイドブックはあまりない。たいていの人は地球の歩き方の「中央アジア」を購入することになると思う。しかし、このガイドブックの地図は正確でないことが多く、頼りにしすぎると迷うことになると思う。俺はブハラでこのガイドブックに記載されているレストランに行こうとしたが、1時間以上探しまわっても結局見つけることができなかった。後日、ある旅行者に聞いたら、どうやらそのレストランは地図に示されている場所とは少し離れたところにあることがわかった。
ウズベキスタン風水餃子。これが一番旨かった。
7.看板などを目印に店を探すと見つからない。
ブハラは景観の保護のためなのかわからないが、日本と比べてはるかに看板や広告の類いがない。そのため、飲食店がどこにあるかわからない。しかも、基本的に日中は店内で照明を使わないらしく、店が開いていても中が真っ暗なので入るのに躊躇してしまう。
シャシリクという肉の串焼き。タマネギのスライスと一緒に食べると、抜群に旨い。
8.レストランよりもチャイハネを利用する
なぜなら安いから。たらふく食ったのにあまりに安いので、精算時に驚くはずだ。店によっては同じメニューなのに10倍くらい値段が違うことがあった。
街と街の間にはステップや砂漠が延々と広がっている。
9.ハイテンションは抑える
暑いし、見所もたくさんあるわけでもないので、最初っからとばしすぎると、疲れるし、飽きがくる。ヨーロッパ旅行と同じような気分でいると、やることがなくなる。
謎のとろみがついた機内食の豚カツ(?)。
10.アシアナ航空の機内食は期待するな。
おれは飛行機が好きなんだけど、その理由の半分位を占めているのが機内食だ。ところがアシアナ航空の機内食はまずい。初めて機内食を残してしまったほどだ。なので、あまりおすすめしない。