人生をコンテンツ化する。

頭の中に浮かんだことを勢いにまかせてすごく適当に書く。

同じ「編集者」でも日米でこんなに違う

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New office, desksNew office, desks / jyri


もう一つのブログには書いたけど、先日、ニューヨークへ行ってきました。もちろん仕事です。具体的な内容については言えませんが、ざっくり言うと、現地出版社のオフィスに行ってミーティングをしたり、出版エージェントとして働いている人と情報交換などをしてきました。
その過程で、アメリカの編集者というのが日本のそれとはだいぶ違う仕組みや働き方で成り立っているということがわかったので、頭の整理も兼ねてブログに書いておきます。

ただ、これから書く内容はあくまで一部の出版社・人から見聞きして得た情報なので、全米の編集者に当てはまるかはわかりません。もしかしたら、ごく一部の特殊な例なのかもしれないです。
また、逐一メモしていたわけではなく、帰国してから記憶を頼りに書いているので、間違ったことを書いているかもしれないということを前提に読んでください。


さて、アメリカの本づくりですが、基本的に分業化されているみたいです。

たとえば、米国の編集者は進行の管理やスタッフの手配など、おもにマネージメントやプロデュースの仕事がメインらしい。これは本づくりのスタートである企画立案から原稿の赤入れ、刊行後の販促まで行う日本の編集者とは大きく違います。
では、アメリカでは誰がこのような仕事をしているのかというと、外部の「エージェント」と言われる人たちのようです。
彼らは元編集者たちが多く、著者と一緒に企画を考え、出版社へ売り込み、企画が通れば著者と一緒になって原稿の推敲をします。
最近、日本でもこういったエージェント業を行う会社が出てきていて、アップルシード・エージェンシーなどが有名ですね。

持ち込み企画への対応も日本とは異なります。
日本では、企画の持ち込み先はたいてい出版社です。
ところが、アメリカではエージェントに送るのが一般的とのこと。もし、出版社に企画が送られてきても受け付けてくれず、それどころか封を開けずに送り返してしまうとか。
これは、その企画と似たテーマ・切り口の本を出版したときに企画の送り主からアイデア盗用で訴えられてしまうかららしいです。訴訟社会のアメリカらしいですよね。

つまり、0を1にするのがエージェント、その1を10にするのが出版社。
これが現地の人の話に基づいた私の認識です。

たしかに役割を細分化して、1人が担う仕事の範囲や量を少なくしたほうが効率的なのかもしれません。でもね、ぶっちゃけつまんなそうです。
個人的には編集者の醍醐味って企画を立てたり、取材したりできるところにあると思っているんですけど、アメリカの編集者はそんなことしなそうです。
結論としては、俺には分業化された本づくりは魅力的に思えませんでした、という感じですね。