人生をコンテンツ化する。

頭の中に浮かんだことを勢いにまかせてすごく適当に書く。

取材されて初めてわかった「編集」の恐ろしさ

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EDIT> / Matt Hampel

この間、とある取材を受けました。いつもは取材する立場なのに、今回は逆。つまり、著者と同じ立場になったわけです。初めての体験だったし、質問に対してどこまでぶっちゃけた答えを返していいのかわからず、終始変に緊張していたと思います。まあ、結局はかなりぶっちゃけたんですが。

それにしても、取材って受ける側からすると、こんなに恥ずかしいもんだとは知りませんでした。この話をもらったときは、あの「ろくろを回し」をするチャンス!とか調子こいてたけど、そんな余裕まったくなかったです。

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それでつい先日、そのときの取材を元に書かれた原稿が送られてきて、内容確認を依頼されました。
自分が語ったことがどんな風に書かれてるのかドキドキしながら読んだんですが、とても驚きました。驚きを通り越して、恐怖さえ感じましたよ。

だってすっごくキラキラした内容になってるんですもん。会社や業界のネガティブな部分について思い切って語ったはずなのに、そんなこと一切書かれてないし、自分がいかにダメ社員なのかさらけ出したはずなのに、正反対の超優秀でこの業界を背負って立つような人物になってたり…。

かといって嘘が書いてあるのかというと、そういうわけではないんです。発言の一部をうまく切り取って、不必要な部分を見せない。言い回しを変えてることで、1を10に見せている。自分の言ってないことをさも言ったかのように創作されているわけではないから、「俺はこんなこと言ってない」とは言えませんでした。

でも、よく考えると、いや、よく考えるまでもなく、これって自分がふだんやっていること、「編集」そのものなんですよね。より面白く読んでもらえるように、より内容がわかりやすくなるように、よりインパクトが出るように、編集者は原稿に手を加えます。それが編集なんです。
今回の原稿と同じようなことを俺は仕事にしています。でも、編集の力をすっかり忘れていましたよ。著者の立場に立ってみることで、その強力さを目の当たりにしました。

良いことをより良く見せることができる一方で、編集という行為は悪いことをより悪く見せることもできてしまう。いかようにも印象を操作できてしまうんです。
もちろん、本人に原稿内容を確認してもらうので事実誤認などがあれば訂正することになりますが、明確な間違いでない限り編集者は原稿に著者の手が入るのを嫌いますから説得にかかってくるはずです。今回の原稿も間違いとは言えないので、けっきょくは訂正しませんでした。

とにかく、編集って良くも悪くも強力なんです。