人生をコンテンツ化する。

頭の中に浮かんだことを勢いにまかせてすごく適当に書く。

結果がすぐには出ない仕事のつらさ

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サハラ砂漠
サハラ砂漠 / veroyama

書籍編集者は一人ひとりが編集長

一口に「編集者」といっても、書籍の編集者と雑誌の編集者では、大きな違いがあります。
書籍のことしか知らないのを前提に言わせてもらうと、書籍の編集者は一人ひとりが雑誌で言うところの「編集長」にあたると思います。雑誌の場合は何人かで1冊を作り上げるわけですが、書籍の場合は企画の立案から装丁のディレクション、販促、宣伝まで一人でこなすわけで、すべて自分で決めなければなりません。これはまさに雑誌で言うところの編集長でしょう。
編集長であるということは、すべて自分の思い通りに作れるということです。ですがそれは、責任もすべて自分に降り掛かってくるということでもあります。つまり、担当した本が売れなければ、それは100%担当編集者の責任。誰が悪いのか一目瞭然なんです。

優れた編集者とは?

編集者の“優秀さ”は担当した本の売れ行きで決まります。どんなに素晴らしいコピーライティングの技術があっても、どんなに大物作家を口説き落とせても、その本が売れなければ優れた編集者とは言えませんし、1万部の本を作った編集者と100万部の本を作った編集者では、問答無用に後者の方が優れていると言えます。
すべて自分の自由であり、同時に責任がある。そして、評価は担当書籍の売れ行きで決まる。だから、書籍の編集者は担当した本の売れ行きが悪ければダメ編集で、ベストセラーを作ることができれば優れた編集者ということが言えるわけです。

編集者の苦しみ、私の苦しみ

売れる本がつくれないと苦しいんです。1冊や2冊続けてとかだったらまだいいんですが、それが2年、3年とそういう状態が続くと、もうため息しか出ません。よく「結果が出ないときはひたすら耐えろ」という人がいますが、いったいいつまで耐えればいいんだろうと思います。
なんでこんなことを書くのかというと、まさに自分がそうだからです。私が勤めている会社はベストセラー至上主義の出版社なんですね。そんな中で、まわりがどんどんベストセラーを出しているのに、自分だけがヒットを出せない。どこか努力の仕方が間違っているんじゃないかと思って、いろいろ試行錯誤してみるんですが、それでも結果に反映されない。まだまだ努力の仕方が間違っているのか、それとも根本的に素質がないのか・・・。「自分のことを信じれなくなったら終わり」というのはわかってるんですが、最近は自分のことを疑うようになっています。

すぐ結果が出る仕事と出ない仕事

で、ここからがこのエントリで言いたかったことなんですけど、編集者の仕事は結果がすぐには出ません。
営業系の仕事であれば、比較的早く努力が結果に反映されると思うんです。たとえば今月の成績がまずいなと思えば、いつもより長く働いて訪問件数を増やしたり、アポを多く入れたりして、すぐ動いてすぐ結果に反映させることができるでしょう(俺の勝手な思い込みだったらすみません)。
でも編集者は、成績が悪いからといっていつもより長く働いても、その努力はすぐには反映されません。これまでは立案する企画の数が少なかったからもっと増やそうとか、これまで新人作家にばかり依頼していたからこれからは実績のある作家にお願いしようとか、そういうことを思い立って実行しても、それがすぐ結果には出ない。
なぜなら、そういった努力が反映されるのは本が出来上がり、書店に並べられてからだからです。担当した本がベストセラーになったとき、初めてあのときの努力はムダじゃなかったんだとか、努力してよかったと思えるわけです。
そもそも本というのは、作るのにけっこう時間がかかります。企画立案から書店に並ぶまで、だいたい5〜6か月はかかるんじゃないかな。だから、去年の仕事ぶりを反省して年始に「今年はこうしよう!」と決意しても、その成果が目に見えるのは半年経ってからだったりするんです。もちろんすべての本が、というわけじゃありませんよ。もっと早く作る本もたくさんあります。でも、いろいろとトラブルとかあって刊行が遅れたりすると、あっという間に秋とか冬になってしまうことも事実なんです。で、その結果を受けて改善しようとすると、その改善が反映されるのはまたまた半年・・・といった感じになります。とにかく、そのときの努力が結果に反映されるのが、すごーく時間がかかるんですよね。

見極めどき

それで、何が言いたいのかというと、そういった理由から自分の適性や素質の見極めどきがよくわからないってことなんです。努力が反映されるのがだいぶ後なので、自分がこの仕事に向いているのかどうかもかなり後になってみないとわからなくて、とっとと辞めたほうがいいのか、いや、せめて今の努力がどういう結果になるのか見届けても遅くないんじゃないか・・・とか。自分の努力の仕方が正しいのか、正しくないのか。それがすぐにはわからないって状況はとてもつらいです。
とまあ、最近はそういうことをよく考えてしまいます。この仕事は好きなんですけどね。でも、もう「好き」なだけで仕事をやっている場合じゃないのかな、と思ってもみたり。

おわりに

ブログに悩みを書くのは気恥ずかしいですし、身バレしたときに仕事にどんな影響があるのかわからないので、今までなかなか書いてこなかったんですが、ここまで来たら一度さらけ出してみようかなと思って、今回の記事をアップしました。
まあ、悩んでいてもしょうがないので、今日も仕事をがんばるか!