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ブータンは決して世界一幸福な国ではないが、かといって不幸な国でもない

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先日までブータンの第2代首相フェローを務め、帰国された高橋孝郎さんの公演を聞きにいってきたので、頭の整理もかねてメモをしておきます。

高橋さんのブログ「Appreciate Happiness ブータン・ブログ」
http://thanks2happiness.blog.fc2.com/blog-entry-28.html

GNH(国民総幸福)について

ブータンと言えばこのGNHが有名です。俺もそれくらいは知っていました。「ブータンは国として“幸福”を指標にしている」「ブータンは世界一幸せな国なんだ」って。でも逆に言うと、それしか知らなかったわけで、実情はちょっと違うようです。
ブータン側から「私たちは世界一幸せなんです!」と発言したことはなく、以前行ったかなりざっくりとしたアンケートの結果が一人歩きしてしまったために、そういった誤解をうんでしまったとかで、実際には様々な問題を抱えた国でもあるとのこと。とくに今回の公演では、高橋さんの専門でもある経済に関する問題点を詳しく話していただきました。

ブータンの問題① 格差の拡大

新興国にありがちだと思うんですけど、ブータンでも富裕層と貧困層の格差、言い換えると都市部の住人と地方部の住人の収入差がどんどん大きくなっているそうで、今や3倍近く違うとのこと。
これはBMIにも如実に現れていて、地方部より都市部の人の方が高いと。つまり、都市部の人たちが歩かなくなったうえに摂取カロリーが増えているというわけです。
これはもう当然、若者からしたら都市部で暮らしたくなる。すると自然と人は都市へ流入していって、地方はその分過疎化し、おまけに都市で増えすぎた若者が失業というお決まりのパターン。
幸福な国ブータンと言えど、この格差の拡大からは逃げ切れないみたいですね。

ブータンの問題② インドルピー問題

経済発展を押し進めた結果、ブータンは消費が国内の生産能力をはるかに上回ってしまったようで、それを賄うためにインドからの輸入に頼っている状況。その支払いをインドルピーで行っていたので枯渇してしまったそう。俺は経済のことはさっぱりなので、詳しくは各自で調べてもらいたいんですが、これによってインフレが発生し、ますます物資の供給量が下がってしまっている状況だとか。

ブータンは幸せなの?

とまあ、経済の面だけでも大きな問題を抱えているブータンが果たして本当に世界一なのかは、はなはだ疑問ではあります。ただ、ブータン人からすると確かに幸せなのかも。というのも、ブータンは「今」を最も大事にする国民性だとか。これは将来の幸せのために今を犠牲にすることを厭わない日本人からすると、正反対の価値観といえるでしょう。そう言った意味では、ブータン人は外から考えるほど悲観していないのかもしれません。
それと、高橋さんが国王夫妻と一緒に撮った写真を一生の宝物と言っていたり、国王のことを必ず「国王陛下」と呼んでいたのをのを見て、ああ本当にブータンはすてきな国なんだと思いました。だってブータンが嫌いだったら、そんなこと決して言えないでしょう。一人の人にそこまで敬愛を抱かせる国。そんなブータンは世界一幸福とは言えないかもしれないけれど、とっても素晴らしい国なんだと思いましたよ。
俺もいつか行ってみたいわ。